労務単価の下落の原因

労務単価とは一般的には公共工事に関わる方の一日当りの労働単価です。労務単価は毎年調査されており、それによって毎年の公共工事の金額を決める参考材料になります。労務単価は、積算資料などの公共工事の金額をはじき出す虎の巻にも載っています。建設業者は公共工事に入札するときに積算資料のような雑誌から労務単価を参照して工事の金額を決めます。しかし積算資料に載っている労務単価はあくまで役所の価格であり、建設業者はそこから数十パーセントを差し引いた金額で労務単価を計算します。例えば積算資料に載っていた労務費が一人1日20000円だとしたら、建設業者は15000円くらいまでは労務費は下がるだろうと見込んで公共工事に入札します。建設業者も競争が激しい為ぎりぎりの労務単価で入札するのです。その結果は毎年、建設業界において労務単価の下落を招いているのです。

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労務単価の地方格差

労務単価の地方格差は広がるばかりです。公共工事は年々減少してきています。特に地方は公共工事に多くの期待を寄せている為、近年の公共工事の抑制は地方の建設会社に与える影響は大きいものがあります。それが労務単価に直接響いてきます。一番お金の掛かる部分は労務費です。仕事を受注する為には仕事の少ない地方ではどうしても労務単価を削る必要が出てくるのです。一方、東京、大阪、名古屋などの大都市圏は好景気に沸きかえります。特に東京はビックプロジェクトが目白押しです。大都市圏では工事量が豊富な為人材の確保が難しいなどの問題から労務単価は地方のように下がりません。言わば需要と供給の関係で労務単価は決まるといってもいいでしょう。

労務単価 職種別

労務単価を職種別に見ていくと、当然のことながら特殊技能を持った職業が高い労務単価を得ていることがわかる。反対に誰でも出来るような軽作業は労務単価が安くなっている。労務単価が高い職種としては、石工、潜かん工、潜水士、トンネル工事工などの労務単価が高い。これは非常に特殊な職種であることと、危険な職種であり一歩間違えば命を落としかねない非常に専門的な職種だからだと考えられる。一方、労務単価が安いので特に目立つのは交通誘導員の労務単価の低さである。仕事的には常に緊張にさらられていなければならず、ストレスの多い仕事ではあるが、一般的な職種と比べるとその労務単価は2分の1からそれ以下という状況になっている。これは参入のしやすい業態のため過当競争が原因となったものと思われる。労務単価の改善が早急に求められる職種である。

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